子供の日のための3Dプリントアイデア10選


こどもの日は、子どもたちの個性や好みに合った特別なプレゼントを贈る日です。思い出に残る、パーソナルな贈り物をお探しなら、3Dプリントは本当にユニークなアイテムや楽しいアクティビティを作るのに役立ちます。既製のおもちゃとは一味違った、教育的で楽しい3Dプリントおもちゃや、ワクワクするSTEM向け3Dプリントプロジェクトを通して、子どもたちを楽しませ、学びの扉を開いてくれます。
3Dプリントを始める前に考えるべきこと
こどもの日の3Dプリントプロジェクトを始める前に、いくつかのポイントを押さえておくと、スムーズに進められます。
材料の選び方:
子ども向けのアイテムには、ポリ乳酸(PLAフィラメント)がおすすめです。PLAは、主にトウモロコシでんぷんなど植物由来の原料から作られるプラスチックで、印刷しやすく、他の材料ほど反りにくく、匂いも少ないため、家庭での使用に向いています。フィラメントメーカーの詳細情報も必ず確認しましょう。クッキー型など、食品に接触するものを作る場合は、「食品対応」と明記されているPLAを選んでください。ただし、3Dプリントには細かな隙間があり、そこにバクテリアが入り込む可能性があるため、直接食品に触れる使用は一度限りにするか、ラップを敷くなどの工夫が推奨されます。

プリンターの安全性と子どもの見守り:
3Dプリンターには、ノズルやプリントベッドのような高温部品や、可動部品があります。子どもが近くにいるときは、必ず大人がしっかり見守る必要があります。プリンターは安定した場所に設置し、換気の良い環境で使いましょう。作動中のプリンターには手を触れないよう、特に高温部品には触れないよう、子どもにしっかり教えてください。
印刷用ソフトウェア(スライサー):
3Dモデル(通常はSTLまたはOBJファイル)をプリンターで印刷できる形式に変換するには、「スライサー」と呼ばれるソフトウェアが必要です。ソフトウェアには、CuraやPrusaSlicerなどがあります。これらはモデルを薄い層にスライスし、Gコードという指示に変換してプリンターに送ります。層の高さ(印刷の細かさや時間に関係)、インフィル(内部の詰まり具合)、サポート材(浮いた部分を支える)など、基本的なスライサー設定について知っておくと便利です。
正しいキャリブレーションが重要:
プリンターが正しく設定(キャリブレーション)されていることは、高品質な印刷の鍵です。プリントベッドの水平調整、ノズルの高さ調整、適切なフィラメントの供給が求められます。設定が不十分だと、造形物がベッドにくっつかなかったり、仕上がりが乱れる原因になります。時間をかけて調整することで、トラブルを大きく減らせます。
こどもの日にぴったりの3Dプリントプロジェクト10選
ここでは、こどもの日をより特別なものにするための3Dプリントアイテムのアイデアを10個紹介します。それぞれ、どんなアイテムなのか、なぜ子どもたちに人気なのか、そして作る際のコツも紹介しています。
1. 名前入りキーホルダーやタグ
キーホルダーやリュックのファスナーにつけるのにぴったりな小さなタグです。子どもの名前やイニシャル、お気に入りのキャラクターのシルエットや簡単な形を入れることができます。
自分専用のアイテムを持てることは、子どもにとって特別な喜びです。自分で色やデザインを選べるのも魅力です。
作成のコツ: 文字を読みやすくするために、文字と背景の色を変えるのがおすすめです。文字は小さなタグでもはっきり見えるよう、大きめで太く作りましょう。取り付け用のループは強度が必要なので、少し厚めにしましょう。文字の追加や簡単な形の作成は、CAD(コンピューター支援設計)ソフトの入門としても最適で、子ども自身が設計に挑戦する良い機会にもなります。
2. ベンディアニマル / フレキシトイ
ヤモリや恐竜などの動物をかたどった、曲がったり動いたりする関節付きのフィギュアです。「プリント・イン・プレイス」方式で設計されているものが多く、印刷後すぐに動かせて、組み立て不要のものもあります。
こうしたおもちゃの動きは、子どもにとってとても不思議で面白く感じられます。手に持って遊ぶのが楽しく、フィジェットトイとしても最適です。
作成のコツ: インターネット上には、こうしたフレキシトイの無料デザインが多数あります。関節がうまく機能するには、リトラクト(フィラメントの引き戻し)や冷却設定など、プリンターのキャリブレーションがしっかりできていることが重要です。ファーストレイヤー(最初の層)がしっかりベッドにくっつくように設定しましょう。
3. シンプルなパズル(2Dまたは3D)
平面の動物パズルや、ソーマキューブ、組み合わせブロックなどの簡単な3Dパズルもおすすめです。

パズルは自然と楽しく、形の認識や問題解決力、指先の器用さを育みます。自分で選んだテーマや、自作したパズルを完成させる達成感は、子どもにとって格別です。
作る際のポイント: 小さい子ども向けには、少なくて大きめのピースのパズルを使いましょう。子どもの興味に合わせたパズルをデザインまたは選択するとよいです。ピースを明るい色で印刷すると見た目が良くなり、解くのも助けになります。ピースがしっかりはまりすぎず、ゆるすぎないように、少し隙間(許容差)を設けましょう。
4. カスタムブロックやコネクター
独自の形でつながるブロックをデザインしたり、LEGO風やK'NEX風の既存のおもちゃシステムに合うコネクターを作ることもできます。例えば、カラフルなレールや橋、交差点のパーツを作って、自分だけの交通システムを構築できます。これらのおもちゃは自由な発想で遊べるため、創造力や基礎的な工学的思考を育てます。

作る際のポイント: 接続部分が合うように、サイズ調整がとても重要です。まず少数のテストパーツを印刷して、適切に接続できるか確認するとよいです。コネクターデザインはオンラインで多数見つかります。
5. キャラクターフィギュアやミニチュア
動物やキャラクター、子どもが描いた絵を立体化したフィギュアなど。小さな建物や背景パーツを印刷して、街のレイアウトを作ることも可能です。フィギュアやミニチュアは、ごっこ遊びやストーリーテリングに最適です。

作る際のポイント: フィギュアの形状によっては、オーバーハング部分に一時的な「サポート」が必要になることがあります。簡単な「ローポリ(低ポリゴン)」デザインは、印刷が速く、遊びやすく、サポートも少なくて済みます。建物や背景パーツは、子どもが好む明るい色を使い、スケールをそろえると、全体がまとまりやすくなります。
6. オリジナルクッキー型や粘土スタンプ
ホリデーや動物、好きなキャラなどの形をしたクッキー型や粘土用のスタンプを作れます。
3Dプリントと一緒に、料理や工作などの他の楽しいアクティビティも楽しめるプロジェクトです。
作る際のポイント: 食品に触れる可能性がある場合は、食品対応と記載されたPLAフィラメントを使用しましょう。前述の通り、3Dプリント品は完全に清潔にするのが難しいため、食品用には使い捨てにするか、ラップを間に挟むなどの対応がおすすめです。カット部分は生地を切れる程度に鋭く、でも安全な形状にします。上部は少し丸みを持たせて押しやすくするとよいです。
7. 名入れプレートやデスク整理グッズ
子どもの名前を入れたルームプレートや、ペンやクレヨン、小物を整理できるシンプルなオーガナイザー。
名前入りのプレートは所有感を育て、カスタム整理グッズは片付けの意欲を高めてくれます。好きな色やテーマを取り入れることで、特別感もアップします。
作る際のポイント: デザインの際には、子どもの趣味や好みに合わせましょう。整理グッズは、収納物に合わせてサイズの違う仕切りをつけると便利です。名前プレートは、フォントを工夫したり、趣味に関連したシンプルな飾りをつけるのがおすすめです。
8. コマやシンプルなフィジェットトイ
昔ながらのコマや、ギアなどのついた3Dプリントのフィジェットトイなど。ベアリングを使うと長く回るデザインもあります。
コマはシンプルな物理の仕組みを実感できます。「誰のコマが一番長く回るか」などで盛り上がります。フィジェットトイは集中を助ける効果もあります。
作る際のポイント: よく回るにはバランスが重要です。対称的なデザインが最も効果的です。インフィル(中身の密度)を多めにすると重くなり、回転が長持ちします。金属ベアリングを使う場合は、ベアリングのサイズにぴったり合う設計が必要です。
9. DIYビークルやロボットキット(組み立て簡単)
小さな車や飛行機、ロボットを作るためのパーツセット。例えば、カラフルな機関車と貨車を組み合わせたり、車輪や煙突などのディテール付きで、自分だけの乗り物を組み立てる楽しみがあります。こうしたキットは、組み立ての仕組みを学ぶ良い機会になりますし、自分で作ったものを遊ぶという達成感もあります。

作る際のポイント: パーツはスナップフィット(パチッとはまる設計)などで簡単につなげると良いです。あるいは、小さなネジやナットで固定する設計にして、工具の使い方も学べます。組み立てにはイラスト付きの説明書があると安心です。
10. シンプルな教育用モデル
太陽系、DNA、動物細胞、基本形状などの立体モデル。
抽象的な理科や数学の内容も、手に取れるモデルがあると理解しやすくなります。こうした教育用の3Dプリントトイは、学習をインタラクティブにし、好奇心を育てるうえでも良い教材になります。素晴らしいSTEM 3Dプリントプロジェクトとしても活用できます。
作る際のポイント: モデルは簡潔で分かりやすく設計しましょう。主な特徴を目立たせることが大切です。例えば惑星を色分けするなど、視覚的に理解しやすくする工夫が有効です。
3Dプリントを始めてみよう!
3Dプリントには、こどもの日にぴったりの楽しくて学びにもつながる可能性がたくさんあります。ここで紹介した10のアイデアはその出発点にすぎません。少しの工夫と発想で、他にもたくさんのプロジェクトが生まれます。プロジェクト選びや設計を工夫して、作る過程も一緒に楽しむことで、思い出に残るユニークで意味のあるプレゼントを届けましょう。