3Dプリント初心者ガイド - FDMの始め方

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3Dプリント初心者ガイド - FDMの始め方

【はじめに】 

FDM(熱溶解積層法)は、材料をノズルから押し出して層ごとに積み上げる材料押出方式の3Dプリント手法です。FDMは3Dプリント技術の中でも最も簡単な方式とされており、使いやすさ・効率性・普及率の高さが特徴です。現在、FDMプリンターはレジン式よりもシンプルで、SLSのような粉末方式よりも遥かに安価であることから、3Dプリント市場を支配しています。QIDIのPlus4、X-Max 3、Q1 Proは高速FDM 3Dプリンターです。初心者がFDM方式に慣れ、QIDIの高速FDM 3Dプリンターをより活用できるよう、本ガイドをまとめました。

【活用分野】

3Dプリンティングは非常に幅広い応用シナリオを持っています。現在では、より迅速な試作や製品製造を目指す企業が3Dプリンティングを導入し、製品開発・研究・教育など、あらゆる分野に大きな影響を与え始めています。

  • 消費財産業

3Dプリントがビジネスチェーンにおいて大きな価値を持つことから、多くの企業や小売業者が製品のカスタマイズや迅速なデザインに3Dプリンティングを活用し、変化の早い消費者市場に対応しています。これにより、製品を素早く市場投入することが可能となっています。対象には、靴、家具、ジュエリーなどが含まれます。

  • 医療業界

柔軟な製造や革新技術の進展により、3Dプリントはインプラント設計、手術計画とトレーニング、義肢など、医療分野で広く使われるようになっています。特に放射線治療分野では、ビーム調整用のカスタム装置や、3D適合放射線治療(3D CRT)、密封小線源治療(Brachytherapy)に用いられています。

  • 自動車産業

自動車業界において、3Dプリンティングは、初期の試作部品の製造から、特注部品の作成や、車体全体の3Dプリントへと進化しています。組み立て工程の前に、スケールダウンモデルを印刷することもあります。迅速な試作とコスト・時間削減により、業界に大きく貢献しています。

  • 航空宇宙

航空宇宙産業では、3Dプリンティングにより、軽量で強度のある部品を開発・製造でき、製造時間を最大70%、コストを最大80%削減可能です。また、金属廃棄物を最大95%削減できるため、環境にも貢献します。

  • 歯科分野

調査によると、歯科用3Dプリントの市場は今後大幅な成長が期待されています。応用例として、クラウン、矯正器具、ブリッジモデル、リテーナー、矯正模型などがあります。

  • 建築

理想的には、建築スケールモデルを迅速に作成可能であり、画面上の3Dレンダリングよりも実物の物理モデルの方が人気です。また、スペイン・マドリードの3Dプリント歩道橋のように、建物や都市構造全体をプリントすることも可能です。

  • 考古学と芸術修復

博物館や考古学の分野では、3Dスキャン・プリントによって遺物の正確な複製を作成し、研究者が安全に扱うことが可能です。輸送中の破損リスクを回避できるため、多くの博物館で活用されています。

  • 法医学

法医学の分野では、3Dプリント技術により、頭蓋骨や足跡などを即座に再現し、未解決事件の捜査に役立っています。

  • 映画業界

映画制作現場では、メイクアップや特殊効果の制作に3Dプリンティングが広く使用され、コスト削減・材料の無駄削減に貢献しています。

  • 教育

教育現場では、3Dプリント技術の活用が無限に広がっています。先進的な学校では、従来の教科書中心の学習から、体験型・プロジェクトベース学習への移行が進んでいます。生徒たちは自らのアイデアを3Dプリントで実現し、社会に貢献するプロジェクトを完成させることができます。

【主要構成部品】

  • コントロールインターフェース

近年のFDM 3Dプリンターには、情報表示や操作を行うコントロールインターフェースが搭載されています。初心者でもプリンターの状態や進捗を確認できます。QIDIの3Dプリンターには高機能なタッチスクリーンが搭載され、デバッグガイド、基本情報、オプション設定、アップロードしたモデルのプレビューなどが表示されます。

  • 造形プラットフォーム

造形プラットフォームとは、部品が製造される実際の表面のことです。通常、造形プラットフォームにはパーツの密着性を高めるためにヒートベッドが含まれています。QIDI Max3とPlus3は、同等のプリンターよりも大きな造形サイズを誇り、それぞれ325×325×315mm³と280×280×270mm³の造形体積を持ちます。詳しい造形サイズについては、公式ブログをご覧ください:QIDI 大型造形サイズ

  • プリントヘッド

プリンターには1つまたは複数のプリントヘッドが搭載されており、通常はエクストルーダーとホットエンドで構成されています。エクストルーダーはフィラメントを引っ張って押し出す役割を持ち、ホットエンドにはヒーターとノズルがあり、ヒーターがフィラメントを溶かしてノズルから押し出します。

【フィラメント】

FDM 3Dプリンターでは、部品を製造するための材料としてフィラメントを使用します。これらのフィラメントは、構造的な安定性を保ちつつ、加熱と冷却が可能な特殊な熱可塑性樹脂で作られています。フィラメントには主に1.75mmと3mm(または2.85mm)の直径があり、スプールサイズも500g、750g、1kg、2kg、3kgなど様々です。

QIDI フィラメント

 

最も一般的なフィラメントはPLAとABSで、安定性が高く安価で、多くのホビーユーザーに人気です。また、ABS-GF25、PET-CFなどの高性能フィラメントもあり、より高い機械特性を持ち、過酷な条件にも対応可能です。QIDIでは、高速プリンターの要求に応じてフィラメントを改良・アップグレードしました。QIDIの新しいフィラメントに関する詳細は、公式ブログをご覧ください:QIDI 新型フィラメント。フィラメントの使用温度、印刷速度などの詳細は、QIDIのフィラメントガイドをご覧ください。

【ステップ】

  • モデルの設計または入手

3Dプリントを行うには、そのパーツの3Dモデルが必要です。3Dモデルは、CAD(コンピューター支援設計)などの3Dモデリングソフトを使用して作成されます。以下は人気の3Dモデリングソフトの例です:

  1. Fusion 360(非商用利用は無料のCAD)
  2. SolidWorks(有料CAD)
  3. Blender(無料のサーフェス・有機モデリングツール)

初心者にはTinkercadなど、経験不要で使える簡易的なCADソフトもあります。

とはいえ、多くの初心者はそのようなソフトを使いこなすスキルがないため、ご安心ください。近年、3Dプリンターの利用者が増えたことで、多くの3Dモデル共有サイトが登場しています。ここでは無料でダウンロード可能な人気サイトを4つ紹介します:Thingiverse、Cults、Printables、Thangs。各サイトの説明と比較については、公式ブログをご覧ください:2023年版おすすめ3Dモデル共有サイト

  • モデルの準備

3Dデザインソフトで作成したモデルは、スライサーソフトを使って加工する必要があります。スライサーはモデルをGコード(機械指示スクリプト)に変換します。スライサーソフトに3Dモデルを取り込んだ後、印刷速度、温度、壁の厚さ、充填率、レイヤー高さなど多くのパラメーターを調整できます。生成されたファイルはGコードと呼ばれ、3DプリンターやCNCマシンに指示を出すためのコードです。

 

QIDIは現在、Prusa ResearchのPrusaSlicerをベースにした新しいスライサーソフト「QIDI Slicer」をリリースしており、非常に多機能です。詳細な紹介とガイドは、QIDIの公式スライサーガイドをご覧ください。

  • サポート材

スライサーソフトの主な機能の1つは、モデルを解析し、サポート材の生成が必要かどうかを判断することです。特にオーバーハングが大きい部分にはサポートが必要です。スライサーではサポートの場所や密度を設定でき、取り外しやすい構造や安定性を高める構造の選択も可能です。

  • インフィル(内部充填)

インフィルは部品の内部充填構造で、強度、重量、印刷時間に大きく影響します。スライサーでパターンや密度を調整できます。密度はパーセンテージで定義され、0%は空洞、100%は完全な充填を意味します。通常は15~50%の密度が推奨されます。強度を高めたい場合は密度を上げましょう。ただし、密度が高いとフィラメントの消費量と印刷時間が増加します。

  • モデルファイルのアップロード

モデルファイルをアップロードするには、無線転送とUSB転送の2つの方法があります。まず3Dモデルを印刷用形式に変換し、パソコンとプリンターを接続してアップロードするか、USBポートを通じて直接アップロードします。アップロードが完了したら印刷を開始します。

【トラブルシューティングのヒント】

  • 反り(Warping)

    これは通常、押出された材料が冷却してわずかに収縮し、下層を引っ張ることでプリントプラットフォームから剥がれてしまうことによって発生します。
  • 糸引き(Stringing)

    モデルに余分な糸引きが見られる場合、チューニングや温度設定、リトラクション設定が適切でないことが原因です。
  • ノズルの詰まり

    プリントヘッドから異音がし、フィラメントが押し出されない(または弱く押し出される)場合は、ノズルが詰まっている可能性があります。これはフィラメントの品質が悪い、温度調整が不適切、またはフィラメントの種類に起因することがあります。
  • レイヤーのズレ

    Z軸のわずかなぐらつきや、プリント速度が速すぎることが原因です。
  • アンダーエクストルージョン

    アンダーエクストルージョンは、プリント中にフィラメントの供給が不十分な場合に発生します。レイヤー間に隙間が見られる場合は、この問題が発生している可能性があります。
  • オーバーエクストルージョン

    オーバーエクストルージョンはその逆で、フィラメントが過剰に押し出されている状態です。これにより、レイヤーのずれ、突起、全体的に粗い仕上がりなどの問題が発生します。

さらに多くのトラブルシューティングと修理のヒントについては、QIDI公式トラブルシューティングをご覧ください。

【清潔を保つ】

  • プラットフォームの清掃

スクレーパーでホットベッド上に残ったフィラメントを取り除いた後、糸くずの出ないフランネルでやさしく拭き取ってください。

  • ノズルの残留物の清掃

フィラメントに応じた適切な温度までノズルを予熱し、中の廃材フィラメントをピンセットでゆっくりと取り除くか、ノズルを取り外して徹底的に清掃してください。

  • その他

3Dプリンター筐体下のゴミをきれいにし、油切れしている部分にはしっかりと潤滑油を塗布します。また、モーターやフィラメント、その他の部品の表面の油も清潔な布で拭き取ってください。

【おすすめ機種】

初心者の方や、コスパの高いFDM 3Dプリンターをお探しの方には、「QIDI Plus4」や「X-Max 3」がおすすめです。手頃な価格でありながら、非常に高性能で、初めての3Dプリント体験に最適です。

より本格的に3Dプリントを楽しみたい方や、予算に余裕のある方には、QIDI X-Max 3を強くおすすめします。大きな造形サイズ、高いプリント性能、温度制御されたチャンバーにより、さまざまなフィラメントで大規模なモデルのプリントにも対応可能です。

業務用として3Dプリンターを活用したい方や、お店で使用する新しいマシンをお探しの方には、「QIDI Max3」が信頼性と汎用性を兼ね備えた優れた選択肢となります。最高350℃のノズル温度と温度制御された密閉チャンバーにより、ほとんどのプリントニーズを満たすことができます。

どんな目的やご予算であっても、きっとあなたにぴったりの1台が見つかります。FDMプリントの世界へようこそ!

【QIDIとのつながり】

QIDI製品をご利用いただいた素晴らしい体験をシェアしていただける方は、ぜひ chloe@qd3dprinter.com までご連絡ください。皆様からの声をお待ちしております。

QIDIプリンターやサービスの詳細については、当社のウェブサイトをご覧いただくか、3Dプリント専門スタッフとのデモを karl@qd3dprinter.com までご予約ください。

QIDI 3Dプリンターの使用中に何かお困りのことがあれば、QIDI 3Dプリンター製品ページ または QIDIアフターサービス にお問い合わせください。誠意をもって丁寧に対応させていただきます。


目次

よくある質問

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3Dプリンティングとは、デジタルファイルから立体的な物体を作成するプロセスです。プラスチックや金属などの材料を重ね合わせて最終製品を作り上げます。この革新的な技術により、カスタマイズと迅速な試作が可能になります。

すべての商品に、迅速かつ信頼性の高い配送オプションをご用意しております。ご注文が完了すると、追跡番号をお送りし、配送状況をご確認いただけます。配送時間は、お住まいの地域によって異なる場合があります。

当社の3Dプリンターには、製造上の欠陥に対する1年間の保証が付いています。延長保証オプションもご購入いただけます。詳細は保証ポリシーをご覧ください。

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