3Dプリントで作ったルアーは本当に釣れるのか?
正直なところ、釣れるのか?
結論から言えば、答えは「イエス」です。すべてのデザインが毎回成功するわけではありませんが、3Dプリントされたルアーで魚は釣れます。実際に多くの釣り人が、セグメント化されたスイムベイトやクランクベイトでバスを釣り上げた実績を報告しています。
特にセグメント(多関節)スイムベイトのデザインは秀逸です。ボディパーツ間の遊びのあるヒンジが、水流だけでリアルな泳ぎを生み出します。特別なテクニックは必要ありません。プリントされたヒンジの適度なしなりが、バスが反応する「傷ついた小魚」のような震えを演出します。
一方で、軽すぎて投げにくいミノーや、FDM方式の精度を超えた薄いブレードが必要なスピナーなどは、あまり向いていません。まずはクランクベイト、スイムベイト、ポッパー、ジグなどから始めるのが成功への近道です。

プリントに適したルアーの種類
クランクベイト
左右2つのパーツをプリントし、接着して仕上げるタイプです。鼻先(ラインアイ)、腹、尾にヒートン(ネジ式のアイ)を固定します。リップ(潜行板)はボディと一緒にプリントすることもできますが、透明なアクリル板などを使うとよりキレのあるアクションになります。
セグメント・スイムベイト
複数の関節で繋がったボディが特徴です。一部のモデルは「プリント・イン・プレイス(一体型)」ヒンジを採用しており、出力してすぐに動かすことができます。関節の隙間の精度が動きを左右するため、積層ピッチは0.15mm程度で綺麗に出力するのがポイントです。
トップウォーター・ポッパー
内部を空洞にして浮かせるタイプです。カップ状の口が、水面で独特のスプラッシュとサウンドを生み出します。浮力を確保するため、インフィル(充填率)は10〜20%に抑えてプリントします。
ソフトルアー用モールド(金型)
ルアーそのものではなく、シリコンやワーム素材(プラスチゾル)を流し込むための「型」をプリントします。手彫りでは不可能な緻密なディテールを再現でき、ワームやカエル型のルアーを量産できます。熱に耐えるよう、型はABSでプリントするのがおすすめです。
素材の選択
PETG はルアー制作に最も適した素材です。PLAよりも耐水性が高く、岩に当たっても割れにくい適度な柔軟性があり、繰り返しの使用に耐えます。
PLA は入門用に最適です。プリントが簡単で塗装の乗りも良く、低コストです。ただし、PLAは徐々に吸水するため、エポキシ樹脂などでコーティングして防水処理を施すのがコミュニティの標準です。詳細はPLAの防水ガイドをご覧ください。
Silk PLA は特筆に値します。金属のような光沢が、水中でベイトフィッシュ(エサとなる小魚)の鱗のキラめきを再現します。ゴールドやシルバーのSilk PLAでプリントすれば、塗装なしでも十分に魚を誘うことができます。
また、蓄光フィラメントを使えば、濁った水や深場、朝夕のローライト時でも視認性が高まります。蓄光粒子はノズルを摩耗させるため、焼き入れ鋼ノズルの使用を推奨します。
インフィルによる浮力コントロール
これこそが、3Dプリントルアーの最大の利点です。充填率を変えることで、浮力を精密に調整できます。
| インフィル % | 挙動 | ルアータイプ |
|---|---|---|
| 10–20% | フローティング(浮く) | ポッパー、ペンシルベイト |
| 約 40% | サスペンド(漂う) | ジャークベイト |
| 60% | スローフローティング (PETG) | クランクベイト |
| 90–100% | シンキング(沈む) | バイブレーション、ジグ |
内部にラトル(音が出る玉)を入れることも可能です。空洞を設計し、プリントを一時停止してBB弾やガラスビーズを投入すれば、音とウェイトの両方の役割を果たします。狙った位置に重りを埋め込めるのも、デジタル設計ならではの強みです。
仕上げと防水処理
プリントしたままでも釣れますが、仕上げを施せばより長く、より多く釣れるルアーになります。
防水コーティング
2液性エポキシ樹脂(EnviroTex Liteなど)で2層ほどコーティングすると、積層跡が消えて市販品のような光沢が出ます。乾燥中は液だれを防ぐために、ルアーをゆっくり回転させて硬化させるのがコツです。
フックの取り付け
ステンレス製のヒートンを鼻先、腹、尾にねじ込みます。あらかじめ穴を設計しておき、ねじ込む際に5分間エポキシを少量つけると強度が格段に上がります。そこにスプリットリングを介して、#4や#6サイズのトレブルフックを装着します。
塗装
本格的に仕上げるならエアブラシが最適です。接着面をサンディングして平らにしてから塗装し、最後に再度エポキシでトップコートを施します。表面仕上げガイドも参考にしてください。
コストの比較
プリントルアーの材料費(フィラメント代)は数十円程度です。フックやパーツ、エポキシを含めても1個あたり200円〜400円で済みます。市販のクランクベイトが1,000円〜2,000円することを考えると、根掛かりを恐れずに攻めることができます。他にも低コストなプロジェクトを探しているなら、初心者向けプロジェクトガイドをチェックしてみてください。
おすすめの無料STLファイル
- Flatfish-ish Lure (ProfHankD) — 実績多数、浮力調整のメモ付き。
- Crankbait (sthone) — 最も人気のある定番のクランクベイトデータ。
- Topwater Minnow (sthone) — 傷ついた小魚の動きを再現。
その他のアウトドア用品についてはキャンプギアガイドを、素材選びについてはPLAフィラメントラインナップもご覧ください。
よくある質問
PLA製のルアーは使う前に必ず防水が必要ですか?
1日だけの釣行なら、そのまま使っても大きな問題はありません。しかし、何度も繰り返し使う場合は、エポキシでコーティングすることをお勧めします。未処理のPLAは徐々に吸水して重くなり、浮力が変わってしまうからです。
魚に噛まれて壊れることはありませんか?
ブラックバスの歯なら大きなダメージにはなりませんが、ナマズやライギョなど鋭い歯を持つ魚の場合は、表面が削られることがあります。強度が心配な場合は、内部にワイヤーを通す構造(貫通ワイヤー)を設計するか、PETGで頑丈に出力してください。
3Dプリントルアーは合法ですか?
はい、全く問題ありません。釣りに関する規制(フックの数、バーブの有無、ワーム禁止エリアなど)は適用されますが、ルアーの製造方法に関する規制はありません。地域のルールを守って楽しんでください。
Q2
Plus 4
QIDI Box
Q1 Pro
X-Max 3